COLUMN

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4月某日、クラムボンミトさんから相談があった。

「実は来月中頃から、僕らクラムボンは40カ所を超える大規模ツアーを始めます。場所も小さな文化財跡地から、学校校舎、芝居小屋、島などさまざまです。去年も36カ所という長いスパンでのツアーを行なったのですが、その際問題になったのがやはり回線周りでした」


「いままで特別そろえ直すチャンスが無かったということもあり、今年は楽器周りだけでも一新して、万全の状態で挑みたいなと思っています。」

「そこで、ウチらの楽器周りのワイアリングを全てオヤイデチームのもので揃えてみようと思っています!」

clammbon2011_300

Artist Profile

福岡出身の原田郁子、東京出身のミト、北海道出身の伊藤大助が専門学校で出会い、1995年に結成。シングル『はなれ ばなれ』で、1999年にメジャーデビュー。当初よりライヴやレコーディングなどにおいて様々なアーティストとのコラボレーションを重ね、楽曲提供、プロデュース、執筆活動など多岐に渡る活動を続ける。2002年より自身らの事務所『tropical』を設立、また山梨県小淵沢にスタジオの制作、そして近年ではサウンドシステムを保有し、バンドとして、独自のスタンスを築き上げている。2007年7枚目となるオリジナルアルバム『Musical』をリリースし、その後行われたライブツアー「tour Musical」を追ったクラムボン初のドキュメンタリー映画『たゆたう』が2008年全国劇場にて公開。 各地で異例のロングランを記録した(現在DVDとなって発売中)

2009年には高音質配信(24bit/48KHz WAV)での新曲発表を試み、昨年は8枚目となるオリジナルアルバム「2010」をCD、配信、アナログの3タイプでリリース。その後、クラムボン史上最多37本のロングツアーを行い、中野サンプラザ2daysを完売。9月には初のよみうりランドEAST公演もソールドアウトするなど、ライブバンドとしての評価も高い。最近では、豊崎愛生の3rdシングル『Dill』の楽曲制作から演奏までを手がけた。
今年は、4/20にファン投票で決めたベストアルバム、青盤のワーナー編と赤盤のコロムビア編を2枚組2枚同時発売。5/14からは約50本におよぶ全国ツアー「ドコガイイデスカツアー」を開催中。秋には初のアリーナ、両国国技館での単独公演が決定。

www.clammbon.com

ミトさんからのワイアリング、ケーブル類のリクエストは下記の通り。

clammbon 2011 tour 回線内容

Bass 本体→Effector→DI→Amp
全てFORCE’77G
Acoustic Guitar 本体→effector
QAC-202 G
Electric Guitar 本体→Effector1→Effector2→RE-301(Space Echo)→Amp
全てFORCE’77G
ikuko keyboard
PA-02 TRS(SS) 2.0m×3
(d+C7 Power Cable 1.8m)
asakusa_NS_4_200

 
今回ツアーのPAをやる西川一三さんのリクエスト

アンプ HIBOX “位相がしっかりしつつ明瞭な感じ”→OYAIDE/NEOの回答「TUNAMI GPX-R」
アンプ LOW “タイトでスピードが速い”→OYAIDE/NEOの回答「TUNAMI GPX」
卓、I/O “位相がしっかりしつつフラット”→OYAIDE/NEOの回答「BLACKMAMBA-α」

これらのケーブルを用意して、都内でリハーサルが行われている代々木セオリスタジオへ雨の中お邪魔し、はじめて全てのケーブルをワイアリングしてサウンドチェックを行った。

yoyogi_NS_PA02_150

最初に原田郁子さんのNordStage。メガネ型の電源ケーブルということで、以前PA-22ZXを試した際、PCOCC-A特性のスピードがフルレンジのピアノでは耳に付き過ぎるという結果だったため、今回は新製品のL/i15EMXとd+C7 Power Cableで比較。
L/i15EMXは非常にワイド且つ、HiFi寄りのサウンドのため、パワー感を足す意図でQAC-202をラインアウトに使用しバランスをとった。
 
次に電源をd+C7Power Cableにしたところ、中域のパワー感が増し好印象。さらにミトさんの意見でラインアウトをスピードがありワイドなものへ、という狙いでPA-02にするとベストマッチ!満場一致でこの組み合わせが採用された。
 

EMX_SP_1_150

ミトさんのベースはフルでFORCE’77Gでセッティングされ、さらにスピーカーケーブルに低音が早く聴こえ、弾いているラインが取りやすいものというリクエストを受けていたので、L/i15EMXで使用されているケーブルを特別にバナナプラグで作成。クリアでスピードのある狙い通りのサウンドに。
 
続いてエレキギター。これにもベースと同じくすべてFORCE’77Gで統一。Roland RE-301につなぎクリーントーンで一発ジャラーンとストロークしただけで「WAO!」という声があがった。確かにこの音には我々オヤイデチームもびっくり。あまりにもクリアなサウンド。

yoyogi_mito_amp_2_250

郁子さんもアンプの周りを覗き込み、「全部これにしたの?スゴーイ」との光栄なお言葉。ミトさんいわく、「ここまで個性がないケーブルは初めて(笑)。楽器に対してものすごく忠実で、ダメな楽器を弾いたら確実にバレる。あとボリュームを上げても全然イタくない。」
 
「いやーまいったねー(笑)」(原田郁子)
「ツアーのモチベーションめちゃアガリなんですけど(笑)。」(ミト)
 
そして最後にアコースティックギターのチェック。アコギには以前よりレコーディングなどでQAC-202Gを使用しており、ここでも引き続きフル使用。アコギのふくよかなMIDが持ち上がり一段音が大きくなった印象。
 
「リヴァーブ成分がめちゃめちゃ見える。透明感や立体感。」(ミト)
「これ演奏が確実に変わるね、うまくなる気がする。あやふやなとこがなくなるからシビアにもなるし。」(原田郁子)
 
この流れの中、このセットでミトさんから「なんかやってみる?」。春の雨の降る代々木のスタジオで「Re-雨」が鳴らされる。演奏後開口一番、

「いやー気持いいい!ドラムに勝ったの初めてかも(笑)スゴイ!」(ミト)、
「パッドの立ち上がりが早いから、ダイナミクスが変わるね。」(原田)。

そして、ここまできたら3人のVocalマイク用のケーブルも!ということになり、PA-02XLR、QAC-202XLR、そして特別作成したTUNAMI TERZO XLRの3種類をツアー出発の直前に託した。誰がどれを使用したかはこの後のツアーで明らかに。

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