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「Clingonやってたね。NATSUMENやってたね。」(村田シゲ)

OY:そのオヤイデイベントで作ったコンピレーションCDに当時の在籍バンドの”kowloon”で参加してもらいましたけど、ケイサクさんの活動的にはその前のバンドの”界”が長かったイメージあるんですよ。”界”はどのくらいやってたんですか?
中村:”界”は1999からはじめて2005年のCLUB QUEでのブッキングのライブで強引にライブをして休止したんです。その時の対バンが”tabaccojuice”と “TUFF SESSION”で、いきなりそんなライブに巻き込んだカタチになって申し訳なかったんですけど。
OY:”kowloon”はそのすぐ後から?
中村:”kowloon”は”界”と結構かぶってます。ちなみに今やってる”stim”っていうバンドもかぶってます。
OY:なんとなくサポートが多い印象あるけど、今出た3つの名前のバンドではバンドメンバーなわけだし、ケイサクさんはプレーヤーとしてバンドに重心をおいている感じありますよね。

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中村:そうです。むしろサポートの方が少ないですよ。
シゲ:当時はね、そうだったね、確かに。
OY:今も木村カエラのサポートとかしてますけど、どっかのバンドの人っていう見え方が確かにありますよ。木村カエラやtoeから中村圭作を知った人はそうじゃないかもしれないけど。そのころシゲさんは何してました?
シゲ:その頃って、ケイサクと出会ったころは、
中村:Clingon、
シゲ:Clingonやってたね。
中村:NATSUMEN、
シゲ:NATSUMENやってたね。
OY:シゲさんといえばメタルっていう一面を隠れ持っている印象があるんですが、メタルっぽいことは?
シゲ:メタルバンドに参加ってのはないですけど、もともと好きでしたよ。中学の頃に好きな女の子がMr.BIGが好きだっていうから、Mr.BIGのCD買いに行ったとか、メタルというよりハードロックですけど。それから家にケーブルテレビが入ってMETALLICAのPV見て「チョーこえー」とか、MEGADETHは怖くないのにMETALLICAこえー、って。でも80年代のスラッシーなのはあんまり得意じゃなくて、ミクスチャー寄りだったANTHRAXは好きだったけど。
OY:Suicidal Tendenciesは?
シゲ:Suicidal Tendenciesもミクスチャー気味ですよね。でもパンクとかは全然知らなくて、RollinsといえばBlack FlagじゃなくてRollins Bandで知る、みたいな。スラッシュメタルはそれほど好きじゃなかったんだけどオルタナが人気でてきて、みんなハーフっぽいリズムをやりはじめたんですよ、ドコドコのツーバスじゃなくてツクタンツクツクみたいな。その弱いねー、ブレるよねー、っていう感じがすごく好きでしたよ。METALLICAの中でも人気が全然ない、「Load」と「Reload」っていうアルバムが好き。リリースした瞬間にBURRN!からディスられたんですけど、そういうオルタナ要素を取り入れたアルバムが好きなんです。
OY:なるほど。ちょっとへたうまなものに惹かれるとか。
シゲ:あ、それもあるかもしれない。でもそんなにオルタナが好きだったわけでもなくて・・・いやそんなことないか。”Alice in Chains”とか好きだったし。
OY:NIRVANA前?それともNIRVANAへのカウンター?
シゲ:いやカウンターとかじゃなくて、NIRVANAが売れたことでNIRVANA前後を含めて底上げされた、
OY:広くシアトル系。
シゲ:そうそう。SOUNDGARDENやStone Temple Pilotsみたいな、ギターもあまりに技巧っぽいのはダサいっていう、そういうものに惹かれてましたよ。でもNIRVANAはよくわからなかった、パンチがありすぎたのかな。オルタナでももうちょっと売れなさそうなのが好きだったんですよねー。

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OY:シアトル系で売れなさそうなバンドって・・・
シゲ:シアトル系っていうか、わっかりにくいとこでいうとオーストラリアのSilver Chairとか。別にさ、今再検証したらメロディーもよくわからないわけじゃない。
OY:アイデンティティーですからね。人と違うなにかをやるっていう。
シゲ:単にそうなんですよね。でも好きなの。パールジャムが好きっていうのと同列に、ボンジョビが推したアイドルハードロックバンドのSkid Rowの3枚目か4枚目の急にすっごくブレたのとかサイコーなんす。メロディーも捨てきれないし中途半端だなーってのが。王道を好きになりきれない・・・でも”パンテラ”は好き。
OY:そういう幅広くちょっとズレたものとかを好む辺りがシゲさんらしいんですかね。いろんなところに顔を出すところなんかが。
シゲ:浅いからねー、オレは。
OY:渡り鳥感?
シゲ:ケイサクの世代とかだとさ、マンチェスターブームで好きなバンドとかいるでしょ?
中村:個人的ににはマンチェスターとかそうでもないけど、STONE ROSESとか?
シゲ:そうそう。そこがオレはずーっとないんですよ。それはたぶん音像もあって、曇ってるのがUKサウンドっていうイメージが俺の中であるんです。カラっとしててどんな録り方しててもドラムだけはパキっとしてるのがアメリカっていうイメージで、そういうとこではアメリカの音がずっと好き。変わらず。
OY:Steve Albiniの音みたいな?
シゲ:そういうことなんですかね。アメリカのバンドがすごい好き。
中村:Happy Mondaysとか好きそうなのにね。
シゲ:かっこいいと思うんだけど、音像的に好みじゃないんですよね。世代とかもあるんでしょうけど、アメリカの音なんですよ。それが結果的にFORCE’77Gを選んでる理由かな。
OY:うわっ!(笑)
中村:うわぁ~、つなげるねぇー。
シゲ:FORCE’77Gはパッキリしてるでしょ、ドライで。
OY:メタル話とオルタナ話をFORCE’77Gへつなげやがった!っていうカタルシスありましたね。
シゲ:キタでしょ。いやでもほんとにFORCE’77Gはスコっとしてるとこが好き。FORCE’77Gを設計した人の意図はわからないけど、オレの印象。

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