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MONDO GROSSO New Album 『 BIG WORLD』発売記念
大沢 伸一 × オヤイデ電気 特別インタビュー

音楽家、DJ、プロデューサーなど、幅広く活躍する大沢伸一によるソロプロジェクト「MONDO GROSSO」が、『何度でも新しく生まれる』(2017年)、『Attune / Dettune』(2018年)に続く、新作アルバム『BIG WORLD』をリリースした。

今作も前2作品に続いて、全曲ゲストボーカリストをフィーチャーした豪華コラボレーション作品となっている。
だが本作はそれに留まらず、このコロナ禍という非日常だからこそ生まれた、大沢伸一氏による新たな音楽的挑戦でもある。
大沢伸一氏は、本作のコンセプトを変わってしまった世界、さらに変わっていく世界の中で、心の在処を探し続ける音楽の旅と明示し、この変わりゆく世界の中で自分が音楽を通じて何を表現できるのかを追求してきた。

どのような過程でアルバム制作に向かい、なぜそのような境地へと至ったのか。
そして音楽のみならず、様々なプラットフォームを通じて行われる大沢伸一氏の投げかけとはいったい。

以前からオヤイデケーブルを愛用する大沢伸一氏に、アルバム制作についてや大沢さんの活動についてたっぷりとお話を伺った。

___そういうのって面白いと思いましたね。一方通行でハイファイになればいいってもんじゃないんだというのが。

 

OYAIDE(以下OY): 大沢さん、MONDO GROSSOのNEWアルバム『BIG WORLD』リリースおめでとうございます。今日はアルバムについてなど色々とお話しを聞かせてください。
 SHINICHI OSAWA(以下SO): もちろんです。よろしくお願いします。
O Y:アルバム聴きました。また最高の音楽をありがとうございます。
前作『何度でも新しく生まれるは』が2017年リリース。その続編『Attune / Dettune』がその翌年なので4年ほど経ちました。
 S O:そんなに長くかかったとも思わないんですけど。今の世間のリリーススピードだともっと短いのかもしれないね。
でも前作は、遡ると14年ぶりだったわけで。それに比べたらちょっと早いかなっていう(笑)。
O Y:でもその14年の間にSHINICHI OSAWA名義が。
 S O:それは2枚出しているし、遊んでたわけではないんですけどね。
よくMONDO GROSSOを休止していたって皆んなに言われるんですけど。
休止していた覚えもあんまりなくて。
O Y:休止していたんじゃないないんですか。

 S O:特に休止しますとか何も言ってなかったんです。何もやらないって決めていたわけでもなくて。たまたまタイミングがうまく合わなかっただけでね。それだけのことなんですよ。
O Y:今日は昔のことも聞いていきたいんですが。その時期ってちょうどソニーミュージックからエイベックスに移籍したタイミングがあったりとか。
 S O:そうですね。ソニーミュージック時代に『NEXT WAVE』をリリースして、Remixアルバムやライブ盤などのMONDO GROSSOとしての一連の作品を終えて。それから、2006年にエイベックスに移籍しましたね。

O Y:大沢さんのDJのスタイルも、2000年代中盤から2010年前後って、ちょうどエレクトロクラッシュとかフレンチエレクトロとか、エレクトロなスタイルに移行してた時期です。
 S O:そうですね。その当時はエレクトロにハマりましたね。
O Y:その流れもあって、その頃はMONDO GROSSOっていうよりは、SHINICHI OSAWA名義だったのかなって思ったのですが。
 S O:そうなんです。『The One』をリリースしたのが2007年くらいかな。
その頃はMONDO GROSSOの制作っていうよりは、僕の個人のことやろうよって話になりましたね。 エイベックスもその頃、海外に向けて何かやりましょうっていうことで。SHINICHI OSAWA名義でDJたくさんやったり、プロデュースワークをしたり、海外行ったりというのを頻繁にやっていた時期だったんで。リリースもそうだし、DJもそうなので、色々とソロ名義でやることが増えたという感じですかね。
まあでも僕自身もMONDO GROSSOは『NEXT WAVE』である程度色んなことをやりきったので。だから自分個人の名前のキャリアとしてもっと自由に色々とやりたいことやりたいなという時期でした。

O Y:今回のインタビューを機に、大沢さんの昔の作品も色々と聴き直したんですけど。
やっぱりその時々の大沢さんのDJのスタイルっていうのが、作曲にも影響するのかなって。
 S O:そうですね。やっぱり現場で音楽を聴いたり、音源をプレイしてっていうものがその頃は特にね。
2000年代から2010年代にかけて、人生で一番DJやっていた時期だったんで。割とダイレクトに影響することも多かった様な気がしますね。
O Y:ちなみに、2010年にオヤイデが大沢さんにインタビューをしてるんです。
ちょうど『SO2』をリリースするくらいのタイミングだったようですね。

 S O:そうですね。こっちのスタジオのワイヤリングとかをすごく協力してもらったんで。今でもケーブルお世話になってますよ。

O Y:今も使っていただいているんですか?
 S O:もちろん。あれから変えていないんですよ。そういうものってちょっとどうなのかなと思うんですけど。当然エージングが進んでいくと、劣化に変わっていくこともあるでしょう?
例えば、エージングが進んで、成熟しきりましたってなると、やっぱりどこかで一新するものなんですか?
O Y:使おうと思えば2〜30年くらいは普通に使っていただけるものではありますね。
 S O:30年!?なるほどね。
O Y:一般的に導体(銅)の寿命が30年とかって話は聞きますよね。
 S O:だとすると、オヤイデさん的には商売にならないじゃないですか?
O Y:そうなんですよ笑。オヤイデのケーブルは作りもしっかりしているので、より劣化はしにくい構造になってたりしますし。だから、大沢さんの方で使っていて何か違和感を感じたりとか、そういうのがなければそのまま使っていただいていて全然問題ないんですけど。
 S O:違和感は全然ないんですけど。ケーブルを入れ替えた最初の3ヶ月っていうのはめちゃくちゃ音がハイファイで、しばらく慣れるのに時間がかかったのを覚えてます。
モニターでもなんでも一緒なんですけど、ケーブルってだんだん落ち着いてきて、やっと全部が馴染んでくるので。今はすごく馴染んでいる状態なんですけど、たまにパキッとしたいなと思う時とかもありますよ。だから一度、それこそケーブルとか電源も全部替えたことがあるんです。
そしたらハイファイになり過ぎてしまって戻したんですよ。オヤイデさんにもやっぱり元に戻しましょうと言われて。これだとパキっとし過ぎて、モニターを取りにくいと思うのでとかって。そういうのって面白いと思いましたね。一方通行でハイファイになればいいってもんじゃないんだというのが。
当時もオヤイデさんにはすごく親身になってやっていただきました。

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