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【人間も音もですが、そのものをそのまま純粋に表現することがとても大切だと思っています。】

OY:machìnaさんはどういったアーティストの方達と交流されていますか?
特に仲良くされてるミュージシャンの方はいらっしゃいますか?
machìna:モジュラー仲間では、タロウ(Taro Aiko / M.A.S.F. from ENDON)とはよく遊んだりしています。
わからないことがあったら何でも聞ける仲良しで、一緒に飲んでいると機材の話で盛り上がるのが楽しいです笑。
Lena(galcid)さんと齋藤久師さんもモジュラーを最初組み立てる時に色々相談に乗っていただいたり、いつも感謝しています。
あとはSakura(Sakura Tsuruta)ちゃんとKyokaさんとは普通にランチしてお話ししたりしますね。
皆んな女性のプロデューサーやアーティストというのもあって共感することも多いですし、お互い応援する気持ちや、一緒に盛り上げていきたいなと思っています。
OY:では、音楽を製作する時のこだわりは何かありますか?

machìna:人間も音もですが、そのものをそのまま純粋に表現することがとても大切だと思っています。
例えば、去年のMUTEKのライブで、テスラコイルを使った演出をしました。
シンプルな話、奏でる電子音楽がこの“ピュア”な電気によって鳴らされているということを伝えたかったのです。
普段自分はモジュラーなどを通して音楽を作る時の波形などは見慣れていますが、普通は電子の形を見ることはなかなかできないので、それをオーディエンスの皆んなにも何とかして伝えたいなって思ったのです。そういった気持ちや表現方法も私にとって“ピュア”なこだわりなのです。
OY:確かにライブでは、聴覚に届く情報と、視覚的な情報どちらも大切ですね。

machìna:これからの音楽の表現は、VRやレーザー、それ以外にも色々な手法を使って表現できるようになっていくと思います。
音楽を経験的にアプローチする方法が増えていると感じられています。音楽で聴く人を感動させることはもちろん大前提ですが、ヴィジュアルがあることでもっと表現の幅や可能性も広がっていくと思います。
OY:まさにMUTEKなんて、そういったオーディオヴィジュアルを表現するためのイベントですね。では続いて、音楽制作のスタイルについて聞かせてください。machìnaさんは3rdアルバム「Compass Point」をリリースしたばかりですね。
作曲する時は、PCであったり、モジュラーを使って作業すると思いますが、機材を触りながら感覚的に音を鳴らして、それがだんだんと形になっていくのか、それとも先に曲のイメージが自分の中にあって、それをモジュラーなどを使って形にしていくのか、どちらのタイプでしょうか?

machìna:色々なパターンがありますが、今回のアルバムこそ、サウンドの方向性をはっきりしていきたいと思っていました。
それで、長野県の白馬にあるスペースを1ヶ月借りて、そこに自分のスタジオを作って1人の時間を過ごしました。
そこでは、毎日何かをレコーディングするためにジャムをしようと決めていました。昼間は、モジュラーなどを使ってジャムをして、次々と直感的に流れてくる音を実験的に重ねていき、夜は読書などをしながらリラックスして過ごす。
アルバムの世界観は、その時持参したカール・ユングの「赤の書」にとてもインスパイアされました。
この期間の昼と夜の過ごし方がすごく自然な流れで、それを1ヶ月間繰り返すうちに、自分の毎日の生きる意味やそれを音楽でどう表現したいかなどを理解することが出来たと思います。

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