ARTIST REVIEWS

Engineer/Studio

L/i50 EXs > 音像の定位も良く、音の立ち上がりや余韻の着地点まで見通す事が出来る

 
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Artist Profile

山内Dr.隆義(Takayoshi Dr.Yamanouchi)
レコーディングエンジニア/サウンドクリエイター
1981年:YAMAHA EAST WESTでの入賞をきっかけにドラマーとしてデビュー。ハイスクールバンドで活躍。
1986年:ミュージシャンから転身し大手スタジオであるサウンドインに入社、ユニコーン(ヒゲとボイン)、プリンセスプリンセス(GET CRAZY!)、ブルーハーツ(リンダリンダ)、ジュンスカイウォーカーズ(全部このままで)、筋肉少女帯 (仏陀L)等のセッションに参加し、手腕を振るう。
1993年:フリーランスエンジニアとして独立、井上陽水(Make Up Shadow)、稲垣潤一(クリスマスキャロルの頃には)、米米CLUB(アブラカダブラ)、広瀬香美(Love Winters)、Cocco(雲路のはて)L⇔R(KNOCKIN’ON YOUR DOOR)等のビッグヒット作品をメインエンジニアとして多数手掛ける。
1999年:第6回 日本プロ音楽録音賞、最優秀賞受賞。「広瀬香美/Always I Need」
2008年:第15回 日本プロ音楽録音賞、最優秀賞受賞。「浅 森坂/月が誘った」
2009年、日本ミキサー協会(JAREC)理事就任。
2010年:サウンド&レコーディングマガジンにて連載記事「ミックスダウン研究所」執筆。
2011年:日本レコード大賞アルバム賞受賞作品、「鈴木雅之/”DISCOVER JAPAN”」のトータルエンジニアリングを担当。
現在、福山雅治、布袋寅泰、鈴木雅之、ポルノグラフィティ、吉田兄弟等を中心に数多くの作品を手掛け、エンジニアの領域を超えクリエイターとして活躍中。
 
趣味は、オーディオ(主にアナログレコードとハイレゾ再生)とチューニングカー(愛車はLancia Delta EVOⅡとAMG)そしてイタリアワインと純米大吟醸、グラッパのコレクション。
また、牡蠣のソムリエである”オイスターマイスター”でもある。
ちなみに、ミドルネームの”Dr.”はドラマーであったと言う事と、仕事っぷりがまるで医者!と言う事から、仕事でご一緒している伝説のロックバンド”四人囃子”のドラマーである岡井大二氏が命名。

User Review

TUNAMI GPX-R(※生産完了品)

TUNAMI_GPX_R_300bプラグのメッキはプラチナ+パラジウムと言う構成、導体はPCOCC-A、オヤイデ製品らしくじつに丁寧な創りのケーブル。
このケーブルの最大の特徴は”圧倒的なS/Nの良さ”とそれに伴う”見通しの良さ”である。
極めて解像度が高く、信号の通りが良く感じられレスポンスも均一な出方をするため音場が広く取れるので、ミックスの場合はトータルのコンプレッサーに、トラッキングの場合は、全体を収録するアンビエンスマイクのヘッドアンプに使用している。
特徴的なピークやクセが無いので、接続された機材の能力を100%発揮出来ると言う事も大きな魅力だと思う。
趣味のオーディオでは、GOLDMUNDのプリアンプに使用してみたが、GOLDMUNDのスピード感と共に、極めてクリーンで奥行き感のある高純度でとても抜けの良い美しい音を奏でてくれた。(ちょっとばかり”高級な音”になり過ぎる傾向もあるが、、)
仕事でも趣味でも無くてはならない電源ケーブルになってしまった!
 

L/i50 EXs

li50_exsオヤイデP/C-037のプラグにClass1 OFC導体。適度なしなやかさを持つケーブル。
重厚さと落ち着きを持ち合わせていながら、特別なカラーレーションを感じさせない鮮度の高いナチュラルなサウンド。
位相感が優れているため音像の定位も良く、音の立ち上がりや余韻の着地点まで見通す事が出来るにじみの無い澄んだ音色は誇張の無い楽器本来の響きを表現してくれる。
僕はこのケーブルをミキシングコンソールの上にセットしたニアフィールドパワードモニターのGENELEC 1031Aに使用している。
正確なモニタリングを要求される機材にはピッタリの電源ケーブルだと思う。
 

OCB-1EXs(※生産完了品)

OCB-1exs_250所詮、電源タップされど電源タップである。
じつは、このタップ「タップでこんなに音が変わるんだ!」と初めて実感した電源タップである。
基本的にはナチュラルな音調ではあるが、S/Nが良く音像のピントの合い方や左右の広がり、そして奥行きの表現がバツグンに良くなる。
そもそも、ケーブルや電源タップの様なパッシブな機材に対して”S/N”と言うのもおかしな話しかも知れないが、これによってノイズフロアが変化する事は確かである。
接点を始め外来ノイズ、振動などの極めて微小なレベルのノイズが音に影響しているからであろう。
このタップはその聴感上のS/Nが高い事により、弱音部の微細な響きや余韻も明瞭度が高く、音場も立体的で見通しが良くなる。
この様な特性から、僕はリバーブ系(SONY DRE-2000A、EMT-250)の電源に使用している。
リバーブの質感と着地点がハッキリとモニタリング出来る唯一タップである。
オヤイデ電気の製品は、振動や外来ノイズ等、細かな事柄を極限まで突き詰め、実際に”耳”で判断し製品化していると言う事が良くわかるアクセサリーの一つだと思う。
 

TUNAMI TERXO XX / RR(※生産完了品)

tunami_terzo_rr250実は、このケーブルをここで紹介するかどうか、、迷っていた。
理由は、、疑われるくらい褒める部分しか無いからである。
とにかく、高純度、S/N感は群を抜くものがあり、ダイナミックレンジが広い。
現代のDAW環境でのMIXの様に、レベルを上げたMIXにおいても、音が破錠する事なく、正確に伝送されるイメージである。
分解能、透明度に優れ倍音成分にも濁りが無く、MIXしたイメージをそのままマスターレコーダー届けてくれる、、、まるでケーブルが存在しないかの如く、、。
メカニカルな部分ではボールベアリング式のXLR『FOCUS 1』は機材との食いつきがバツグンで業務使用とても安心感があり、、とにかく”完璧”である。
僕はこのケーブルをD-Aコンバーターからマスターレコーダー(STUDER A-820/KORG MR-2000S)への間に使っている。
 
tunami_terzo_xx250ここ数年の、福山雅治、鈴木雅之を始めとする僕が手掛けている作品は、全てこのケーブルを経由した作品である。
プライベートでは、愛機であるGOLDMUNDのPreとPowerの間にコレットチャック式のRCA『GENESIS』採用の『RR』を使っている。
ノイズに対してとても気難しいGOLDMUNDであるが、この『TUNAMI TERXO RR』では、ノイズどころか、極めてS/Nが良く、膨大な情報量を引き出し透き通る程の空間性を発揮してくれている。
GOLDMUNDを持ってしても、「コイツ、、やるな、、」と感じているのカモ知れない。
褒め過ぎてしまったので、あえて難を言うとすると、、ケーブルの表皮の色が透き通る様に奇麗な”白”なので、汚れが目立ってしまう(スタジオでの使用はかなり過酷)後は、、マスターレコーダーまでの距離が結構あるので、もうちょっと安ければなぁ?、、と。
 

MJ-12(※生産完了品) / STB-MSX / STB-CM-Series / BR-ONE /
HPC-22W(※生産完了品)

その他にも趣味のオーディオが幸いして(?)オヤイデ電気のアクセサリーは多数使っている。
特に、僕の場合はアナログレコードが大好きなので、ターンテーブルシートの『MJ-12』やディスクスタビライザーの『STB-MSX』
最近ではブルチゴムを使用したターンテーブルシート『BR-ONE』等、書き出したらキリが無くなってしまう。

『MJ-12』を初めて使った時は、アナログレコードの位相特性の優秀さ、とりわけ、高域の位相特性の優秀さを実感し(ただ、中高域は若干暴れる)、合わせて『STB-MSX』を使用した時は低域に”どっしり感”が加ると同時に、中高域の暴れも解消。アナログレコードの情報量の多さと正確さを体感した。
またこのSTB-MSの真鍮のウエイトを『STB-CM』と言うカーボンのウエイトに交換した時のクリアで切れが良く、力感も増した音の変化には目から鱗!
さらに『BR-ONE』を加えた時は、愛機であるVPIのベルトドライブターンテーブルの弱点でもあるベルトから伝わる微細なモーター音を見事に吸収し、MJ-12との相性もあり、とてもクリーンで躍動感のある再生音を聴き、まさにコンプリート!
「振動を制するものは全てを制する」と感じた。
 
オヤイデ電気と言えば、何も完成されたケーブルやアクセサリーだけでは無い。
自作用の切り売りケーブルもじつに魅力的である。
その自作ものと言えば秋葉原の店頭で見つけた『HPC-22W』。
僕はこれの端尺ものを手に入れ、コレットチャックRCAの『GENESIS』と組み合わせフォノケーブルとして使用している。
これが、もの凄パフォーマンスを発揮!音楽的なバランスが良く解像度も高い。
そんじょそこらの”自称ハイエンド”なフォノケーブルとも互角に張り合える程の実力。
このパフォーマンスに魅せられスタジオでは『HPC-22W』にバンタムプラグを組み合わせ主要な部分のパッチケーブルとしても使用している。
(実際、スタジオで日常使いしているモガミやカナレと比較しても、コストパフォーマンスは高い!なので店頭にこの端尺が出ると大人買いしていたのは、、僕です、、)
このように、オヤイデ電気のアクセサリーはオーディオ的な部分のみならず、音楽的な完成度を高められ、我々エンジニアやアーティストと言った制作者サイドの狙いや意図を正確にリスナーに伝える事が出来る実践的で素晴らしいアクセサリーだと感じている。

最後に、、オヤイデ電気さんの製品って、”オーディオ好きの好奇心をくすぐる”製品ばかり、、。
これは、やはり荒川”みじんこ”さんの”オタク”っぷり(失礼!)が反映されているからなのでしょうか??
なんか、伝わって来ちゃって、ついつい買ってしまうんです、、音のプロでも、、。
 

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