COLUMN

Report


ライブの現場で使用されているオヤイデ/NEO製品にスポットを当て、それらの魅力を紹介する企画『OYAIDE Live Report』

第7回は2023.6.20に下北沢ERAで開催されたLITE 『Endless Blue』のレポートです。

 

Artist Profile

LITE
Nobuyuki Takeda:Guitar
Kozo Kusumoto:Guitar/Synthesizer
Jun Izawa:Bass
Akinori Yamamoto:Drums
 
ポストロック、マスロックをルーツに、進化を続ける4人組インストゥルメンタル・ロックバンド。
2003年の結成以来、国内のみならず、欧米やアジアなど、ワールドワイドに活躍している。
その初期は、ツインギターのスリリングな掛け合いとリズムセクションのドラマチックな起伏が生み出すエモーショナルな楽曲にバンドのアイデンティティを見いだすと、2006年からはイギリス、アイルランドをはじめ、海外での活動を活発化。
2009年のEP『Turns Red』ではJawboxのJ. Robbins、2010年のEP『Illuminate』ではTortoiseのジョン・マッケンタイアをエンジニアを迎え、シンセサイザーを交えた新たなサウンドアプローチを模索し、エレクトロニカやビートミュージックなどの要素を内包したオリジナルな作風を確立した。
2019年にはバンドとファンをつなぐ新たなプラットフォームとなるオフィシャルアプリ『LITE The Room』を発表するなど、その活動を絶え間なく進化させている。
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夜は半袖だと少し肌寒い6月の下北沢。
平日にも限らず若者やバンドマンが多く、今日も下北は下北だなぁと呆けていたら、あっという間に下北沢ERAに到着。

本企画は、LITEが今春に発表したシングル『Endless Blue』のレコ発で、対バンにはdownyを迎えた、なんともバチバチなイベント。
大変ありがたいことに、両バンドとも日頃より弊社製品をご愛好頂いています。

そんな記念すべき日なので、今回は会場である下北沢ERAを弊社のケーブルや電源タップでフルワイヤリングサポートさせて頂きました。
その様子もLITEのライブと共にお届け致します。

初手のdownyは、凍りのような焦燥感と張り詰めたような衝動感が独創的な世界を構築し、胸がヒリヒリするような独特な感覚に襲われました。

最後の楽曲が終わり、オーディエンスの喝采が会場に響く中、LITEのセッティングが行われていきます。

「こんばんはLITEです」
の一言を掻き切る様に、1曲目『Ef』がスタート。

無骨でストイックなギターリフ。
負けず劣らず弾けまくるベース。
ダンサブルで疾走感があるドラム。

各楽器隊が自由に暴れまくり、しかしそれがバンドアンサンブルとして成立している。
これぞLITE。

続けて、2曲目『Zone3』
LITEのサウンドとして、一番に挙げられるのは、弾丸の様に鋭くソリッドな武田さん、楠本さんの両ギターではないでしょうか?


 
ギャリンギャリンとしたシングルコイル特有の乾いたサウンドが、クールなリフをさらに印象付け、我々の脳を直接刺激してきます。

3曲目『Image Game』はバンドサウンドから一転、同期によるエレクトロニカ要素を含めたマス的アプローチが特徴的な定番曲。

私がライブでのLITEを観た時にいつも感じるのが、メリハリが効いたキレのある展開の気持ちよさです。
ポーカーフェイスなアンサンブルの中にも、時より感情性を感じる一節や要所に入るブレイク。
日本で一番Coolという言葉が似合うバンドではないでしょうか?

また緊張感を感じる演奏時からの、脱力したゆるめなMCも魅力的です。

「初めて知ったんだけど、下北沢ERAってソールドアウトしたら寿司が出るらしい。だから今日は俄然頑張る」
ソールドアウトの感謝を述べつつのGt.武田さんの発言に、会場は笑顔。

「今回対バンで出てくれたdowny、20年前は俺たちもお客さん側だった。それが今回演者として、一緒のステージに立てる。ありがとう」
とdownyへの感謝と想いを綴り、再び楽曲へ。

MC明けには、今回のイベントタイトルでもある、今春リリースの『Endless Blue』を披露。

これまでのLITEらしさを良い意味で裏切る楽曲で、インストではなく、武田さんがマイクを取るボーカル曲になっています。
テンポアップ、キーチェンジなど展開が多いのも特徴的で、LITEが新しいステージに昇っていく様な印象を思わせます。

そして曲間は、空間的でアンビエンスなドローン音が会場を包みます。
あくまでポストロックライクな楽曲達の中、それぞれが全く別角度のアプローチで我々を刺激してくれます。

情景的で荘厳な音が響く中、まるで雨雲の中から光が降り注ぐ様に、徐々に救済的で祝福感のある音像が拡がっていきます。

そして繰り出される『Echolocation』のイントロ。
先程まで神々しく響いていた音の光達が、突如無垢に踊り出した様な感覚に襲われました。
楽曲ラストのGt.楠本さんのブチブチに千切れたファズサウンドも含め、圧倒的な演奏でした。

ヒートアップする会場を横目に、畳み掛ける様に6曲目『D』が始まります。
イントロから繰り広げられるBa.井澤さんのリフがクールであり、ベースの巻弦から鳴るブリンッという音が生々しくてたまりません。

ロマ音楽の様に細やかなリズムが気持ちの良い本楽曲は、この日一番の盛り上がりを見せていました。

楽曲が終わり、2度目のMCタイムへ。
そこでは普段LITEでは見かけないガットギターやアコースティックベースが運び込まれる。
お?また何かやるのか?と期待の眼差しを向ける中『では、これからさくらを歌います』の開口に再び会場は暖かい空気に。
Endless Blueにて歌声を披露した武田さんは、最近ボイトレに通い、カラオケによく行っているというプチカミングアウト?をしました。

そしてガットギターのネックを握り、『新曲やります』と発表。
新曲『Dark Ballet』では、またまたこれまでのLITEとは全く異なる景色を見せてくれました。

アコースティック楽器特有の哀愁漂うテクスチャと音程感と共に、武田さんのポエトリーリーディングの様にぼやく歌声が交わり、雨の日のレンガ街を彷彿とさせます。

燻された渋さが出ているダーカーな楽曲でした。
また、楽曲によって変化するDr.山本さんのベロシティも多彩で、曲の感情や表情に大きく影響していました。

静かに深い海に落ちていく様なギタートレモロから始まったのは、『Shinkai』。
そこから展開し、焦燥感漂うアンサンブルのパートへ突入すると、上手からdownyのVo&Gt.青木ロビンさんが登場し、会場から歓声が挙がります。

ロビンさんの歌声が入った途端、それは急にLITEではなくなり、先ほどまで聞いていたdownyの公演と錯覚してしまう。
それほどまでにロビンさんのボーカルは唯一無二であり、力強く水の様に澄み通って流れていく歌声が心地よい。
しかしサウンドはLITEのそれであり、ベストマッチな組み合わせと選曲でした。
ラストは壁の様に立ち昇る楽器隊と擦り切れんばかりの叫び声が混ざり合い、業火の渦の様に会場を掻き回していました。

次曲『Fog Up』は、武田さん自ら「久しぶりすぎてカバーしてるみたい」と言うほど久しぶりの演奏。
LITEのライブには、ミニマルな魅力があると感じました。

ライブも終盤に差し掛かり披露されたのは、『Bond』。
とにかくインパクトの強いリフや構成で、一度聞いたら忘れられない魅力があります。
序盤はギター2本による掛け合いから始まりますが、「ギターってリズム楽器だったんだ」と思わせるようなグルーヴィさがあります。
後半からリズム隊が入ると、新しいような、しかし2000年代前後のエモ要素を感じるような、不思議な感覚に苛まれます。

盛り上がる会場の中、本編ラストは『Infinite Mirror』で締め括られました。
無機質でクールなリフとエモーショナル溢れる展開が魅力的で、特に山本さんの力が入ったスネアが弾ける様に思わず飛び跳ねたくなります。

アンコールで披露されたのは『100 Million Rainbows』。
重めのサウンドメイクによる、オルタナティブかつトリップ感のある楽曲。
ライブならではの疾走感が彼らの存在感を後押しするように、説得力のある迫力を演出していました。

LITEのサウンド、アンサンブル。
そのどれもが他に類を見ない『個』を感じさせる様に、終始圧倒された50分間となりました。


– SET LIST –
1.Ef
2.Zone3
3.Image Game
4.Endless Blue
5.Echolocation
6.D
7.Dark Ballet
8.Shinkai (feat.青木ロビン)
9.Fog Up
10.Bond
11.Infinite Mirror
en.100 Million Rainbows

そんな中、オヤイデNEOケーブルもLITEのサウンドに一役買っていました。

Gt.武田信幸

武田さんのメインケーブルには、Ecstasy CableQAC-222Gが導入されています。(Guitar側→Ecstasy Cable / Amp側→QAC-222G)

Guitar側はEcstasy Cableを使用する事により、押し出しの強い高密度な中域を演出しつつ、Amp側はQAC-222Gを使用する事で、ジャリっとしたテクスチャと重すぎない出力をチューニングされています。

Ecstasy CableQAC-222Gはどちらも比較的硬質的なテクスチャを持っていますが、LITEのギター陣は、そこを上手くお使い頂けていると感じます。
武田さんからは、「音が太くてクリア」という点を評価頂いています。

そして足元のケーブル類も全てオヤイデ仕様。
パッチケーブルは、Solderless Series、DCケーブルは、DC-3398LLで統一というガチガチに高解像度な仕様となっています。

Gt.楠本構造

楠本さんのメインケーブルには、Ecstasy CableとFORCE’77G(※生産完了品)が導入されています。(Guitar側→Ecstasy Cable / Amp側→Force’77G)

FORCE’77G(※生産完了品)は、フラット特性がありながらも冷たさのあるサウンドが特徴的で、ポストロックライクな音作りには相性抜群です。
フラット特性という点から、エフェクトの乗りも非常に良く、とりわけ歪み系との相性が良いです。

武田さん同様足元のケーブル類は、Solderless SeriesDC-3398LLで統一されています。

そして同期周辺のケーブルにはd+ClassBが導入されています。

Ba.井澤惇

井澤さんのメインケーブルには、Ecstasy Cableが導入されています。
ベースでの使用においては、より図太く芯のある中低域を中心にした音作りに向いていて、井澤さんのプレイスタイルにはガッチリハマっていました。
井澤さんからは、「楽器の倍音を更に感じ、ザラザラとした質感」を評価頂いています。武田さん、楠本さんと同様に井澤さんの足元も、Solderless SeriesDC-3398LLでセットアップされています。

また使用されているイヤモニ用延長ケーブル(※ショップ限定・受注製作品)も弊社のものをご使用されています。

Dr.山本晃紀

山本さんが使用しているSPDからのアウトプットにはPA-02 TS V2が導入されています。
音の再生において、レンジと解像度はもちろん、中でも空間表現と定位感に優れた効果を発揮するPA-02 V2。
その特性上、デジタル音源の再生にも相性良くお使い頂けます。
これが生ドラムのマイキングに使用した場合、広過ぎる再生能力が返ってアンサンブルの妨げになる可能性もあり、その辺りは計算されたセットアップになっていました。また井澤さん同様、イヤモニ用延長ケーブル(※ショップ限定・受注製作品)は弊社のものを採用されています。

そして、記事序盤にもお伝えした通り、今回は下北沢ERA全面協力の元、オヤイデ電気フルワイヤリングサポートとして、マイク周りのケーブルや電源などに弊社製品を導入致しました。

まずドラム周りのケーブルは、全てQAC-222の深緑一色で統一されました。

QAC-222が持つ、適度なダイナミックレンジと前に押し出す特性がドラム、特に太鼓系と相性が良く、各パートのテクスチャをしっかり活かす事が可能です。

続いてベースアンプ周辺は、TUNAMI TERZOをセットアップ。

低域高域のアタックが強く、ド派手な音が特徴な本製品。
ベース用としてメインケーブルに採用されるアーティストもいる程、ベースとの相性が良く、その理由としては100Hz下のまとまりのある押し出し感です。
その為、ベースのみならずドラムのキックなどにもかなり相性が良いです。

そしてギターアンプ周辺、ライン周り、ボーカルマイクには、開発段階の製品を試験的に導入。

あまり多くを語る事が出来ないのが歯痒いですが、わかる方にはわかる外観をしていますね。
音色としては、中低域が前に出てくるサウンドが特徴的で、楽器隊の出音と相性バッチリでした。

電源周りは、OCB-1SX,OCB-1AX,MTS-6IIオリジナルカスタムモデルの3種類を導入しました。

全体的な出音のグレードアップを施しつつ、各機材に合わせたセットアップになっています。
OCB-1SXは、同期周りと武田さんのエフェクター用に導入され、タイトでありつつ高解像度な仕様に。
OCB-1AXは、井澤さん、楠本さんのエフェクター用に導入され、楽器らしい張りのある中域をサポート。
TMTS-6IIオリジナルカスタムモデルは、筐体はMTS6IIで電源ケーブルはブラックマンバを採用。
コンセント部や内部配線などは、OCB-1SXを元にカスタムしたモデルで、各電源のマスター電源として採用しました。

いかがでしたか?
今回は、LITEが持つ唯一無二のサウンドの裏側をお伝えさせて頂きました。
改めて見ると、オヤイデNEO製品とLITEの音のマッチング性は非常に高く、クールなLITEの音像をよりモダンライクにアウトプットする事が出来ていたと感じました。

とにかくオヤイデ尽くしの1日でしたが、より曇りのないクリアなサウンドをサポートする事が出来たかと思います。
LITE、downy、下北沢ERAの皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

終演後の下北沢ERAは、先程までの非日常でバチバチな公演が、まるで夢だったかの様に日常に還った。
一仕事終えた私は帰路に着こうとふとフロアのテーブルに目をやると、そこには大量に並べられたお寿司が拡がっていた。

まじでお寿司あるんかい。

Writting by Yuuki Miura

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